『電気の無い村にホームステイ。』

昨日の続き。

 

ネパール唯一のジャナクプル鉄道に乗って、

ネパール側の終点の駅「カジュリ村」に到着

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そこで出会ったやさしい?あやしい?ネパール人のお兄さんの村(カジュリ村よりさらに奥にある村)に招待してもらえることになり、なぜかその許可をとりに1人で警察所のようなところへ行かされた僕。

 

 

そしてそこには、ガラの悪い若者たちがたむろっていた。

 

不安になって、家に招待してくれたお兄さんに目をやると、

 

なぜかお兄さんいなくなっていた・・・

え、どこ行ったの?

 

 

これ、まさかだまされたやつ?

 

 

ぼこぼこにされてお金とられちゃうやつ?

 

 

 

おそるおそる若者たちに近づいていき、

言われたように許可を取るべく、

その村に泊りたい旨を伝えてみた。

 

すると、若者の1人が僕にこう言った。

 

「そこで待ってな、今ボスが来るから。」

 

ボ、ボボ、BOSS??

 

BOSSって怖い人じゃないでしょうね?

 

あー、これは間違いなくやられる

 

最悪金を要求されるんだろうな。

 

びくびくしながら5分ほど待っていると、BOSSが登場。

 

 

小太りで、悪そうな顔のおじさんだ。

 

 

BOSSが僕に尋ねる。

 

B「何の用だ。なぜここへ来た?」

 

ボスはフレンドリーさのかけらも無く、威圧的な態度だった。

 

僕「えーと、観光です。さっき出会ったネパール人の村に泊りたいのですが・・」

 

僕はビビりながら答える。

 

B「何でこんな村へ来た?何泊するつもりだ?」

 

僕「列車で来たら、帰れなくなって・・・1泊して明日の列車でジャナクプルに戻ります。」

 

 

B「そうか、ところでインドへ行くつもりじゃないだろうな。ここからインドへ入れば、逮捕するぞ?」

 

僕「いえ、インドへは絶対行きません!明日必ずジャナクプルへ帰ります!」

 

B「そうか、なら村へ行くことを許可する。お迎えも来たようだしな。」

 

 

案外あっさりと村への宿泊許可がもらえた!!

そして、ちょうどさっきのお兄さんがバイクで戻ってきた!

 

 

どうやらお金も払わなくていいし、

ぼこぼこにされることは無いみたい。

 

 

よ、良かった!!

 

 

バイクに乗って、彼にさっきのBOSSについて聞いてみた。

 

 

BOSSはこの辺のを担当している警察官のような人で、

ここはインドとの国境もすぐそばなこともあり、

外国人を泊めるにはBOSSの許可が必要だったらしい。

 

この国境は外国人は通行できないけど、

隠れて国境超える人も多く、国境は警備が厳しいんだそう。

 

 

 

それならそうと先に行ってくれれば良かったのに・・・

 

 

 

 

そこから彼の村まではバイクで10分ほど。

 

 

途中で一回バイクが急に止まって、

何事かと思って前を見てみたら、

道端に大きな蛇がいて、村人がそれを退治してた。

 

 

蛇はここら辺にはたくさんいるらしい。

 

 

こ、この村危険すぎる!!

 

野宿しなくて良かった・・・

 

 

彼の村に着いた時は、もう日が暮れて暗くなっていた。

 

 

そしてこの村には、本当に電気は全く通っていなかった。

 

 

村全体が真っ暗。

村はこんな感じ。(翌朝撮影)IMG_4892

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僕を村に招待してくれたのは、

クマールさんというネット関係の会社に勤めるお兄さん。

 

 

一番左がクマールさん。IMG_5781

 

 

クマールさんがこの村について少し説明してくれた。

 

村の人口は約500人程。

 

電気は一切通っていない。

 

村人の中には、小さなソーラーパネルを持っている家もあって、

その人たちは夜わずかな明かりだけ使える。

 

村の仕事は農業くらいで、多くの人は出稼ぎに出る。

 

今この村が一番必要としているのは、医療施設。

 

クマールさんはこの村の生活を改善すべく、

仲間と一緒にNGOを立ち上げ活動しているそう。

 

 

その手始めとして、最近まずインターネットを村にまず導入したらしい。

 

 

彼の家ももちろん電気は通ってないんだけど、

昼にソーラーで貯めた電気で夜3時間だけインターネットを使える。

 

 

そして彼の家に電波塔を立て、

1日に数時間だけ村にネットを使えるように電波を飛ばしているそう。

 

クマールさんが竹で作った電波塔。

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それによって村の人も1日に数時間だけネットが使えるらしい。

(ネットを使える環境がある人だけ)

 

 

ちなみに次は村の医療事情を改善したいそうで、

 

「毎日とはいかなくても、村に定期的に医者が来るようにしたい」

とクマールさんは話していた。

 

 

あと、クマールさんと一緒の家に住んでいる親戚は、

家の屋上で子供たちに英語を教える塾を経営していた。

 

クマールさんと塾を経営してるクマールさんの親せき。IMG_5786

 

 

ただお金はほぼもらってなく、

お金よりも子供たちに英語をしっかり話せるようになることを目的にしているそう。

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子供たちは、朝6時から3時間と夜6時からの3時間、

1日計6時間ここの塾で英語などの勉強をしている。

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もちろんみんな日中は普通の学校にも通っている。

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夜電気もほぼ使えない中で、

夜遅くまで勉強する子供たちの姿は、

何かを感じるものがあった。

 

 

なぜここまで英語の勉強するのかは聞かなかったけど、

おそらくネパールで生きていくには、英語が特に必要なんだと思う。

 

 

ネパールの主要産業は農業で、次が観光業。

 

 

観光業に携わるなら、英語は必要

 

 

さらにネパールでは仕事があまり無いので、

海外に出稼ぎに行く人も多いと言う。

 

 

実際この村からも多くの若者が、

出稼ぎでカタールやドバイなどの国へ行っているという。

 

 

海外に働きに行くのであれば、それもまた英語が必要なんだろう。

 

 

 

クマールさんはさらに、将来インターネットなどの

公立の学校では教えてもらえないものを教える塾も作って、

子供たちの可能性を広げたいと言っていた。

 

 

 

この村には、公立の小学校が1つあるけど、

ここでは最低限度の教育しか受けられないそう。

 

村にある小学校。日本のJICAが建てたもの。IMG_5832

 

クマールさんは電気の無いこんな田舎の村に生まれても、

 

「ネパールや世界で活躍できるように教育を受けられる環境」

 

を作りたいそうだ。

 

ネパールでは昔のカースト制度がだいぶ変化し、

憲法のもとに法の下の平等が保障されている。

 

教育さえしっかりしていれば、子供たちは自由に将来の夢を描ける。

 

子供たちの教育は村において、もっとも大事な問題な1つだ。

 

クマールさんの家族や彼の仲間は、

村の子供たちのため教育環境を整えている。

 

その理由は、純粋にこの村が好きだからだそう。

 

とてもかっこいいと思った。

 

夕食もクマールさんの家でごちそうになった。IMG_5790

 

 

夕食を食べていると、

近所の人たちがたくさん集まって来た。

 

 

日本人、いやそもそも外人が珍しいのだろう、

みんな興味津々に僕を見てくる。

 

僕はまるでスター。

 

 

僕がパソコンに入っている日本の写真を見せると、

みんな興味深々。

 

電気も無い村なのに、

みんな日本のことは良く知っていたし、

ネパールでは日本のNGOがたくさん活躍しているらしく、

みんな日本に対して良い印象を持っているようだった。

 

 

しばらくしてみんなが帰った後、

クマールさんは僕の寝床を作ってくれた。

 

屋上で天井付き、蚊帳付きの風通しが良いベット。

 

クマールさんが用意してくれたベット。

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ベットに入って、電池式のライトを消してみると、

まわりにホタルがいっぱい飛んでいることに気づく。

 

人生でこんなにたくさんのホタルを見たのは初めてで、

嬉しくなってベットから出て村を見渡してみると、

村中にホタルが飛んでいる。

 

電気が無いこの村でホタルの光はとても明るく見える。

 

さらに目を空に向けると、そこには一面の星空が広がっていた。

 

 

電気が無く、さらに田舎で空気もきれいだからか、

星もとってもきれいに見える。

 

星というよりも、宇宙が見える。

 

高い建物の無いので、180度空一面に宇宙が広がっている。

 

 

ベットに戻り、星空とホタルを見ながら眠った。

 

 

電気が無い村なのに、夜は不思議と明るかった。

 

 

 

次の日、朝起きるとすでに朝食が用意されていた。

 IMG_4898

朝からとても豪華。

 

朝飯を用意してくれたクマールさんの妹。IMG_4904

 

 

朝飯の後、列車の時間までクマールさんが村を案内してくれた。IMG_5829

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 村の人はみんな木で歯を磨いていた。IMG_5835

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途中で村のヒンドゥー教の礼拝にも参加。IMG_5801めちゃめちゃカメラ目線のクマールさん。

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 こんな小さな子供も礼拝してた。IMG_5817

 

僕は仏教徒だと言ったんだけど、おかまいなしに参加させられた。

 

 

礼拝の後村を歩いていると僕はまたスターになった。

 IMG_5826

チャイ屋でチャイを飲めばたくさんの人が集まり、

歩き出せばまたその軍団が僕について歩き出す。

 IMG_4906

 

外国人なんて来ないんだろうな。

 

みんなフレンドリーで、

「どこから来たのー?」

「いつまで居るのー?」

「この村はどう?」

などと話しかけてくる。

 IMG_5839

IMG_5837

 

列車の時間になり、

スマールさんの家族にお礼を言ってお別れをしようとすると、

スマールさんのお父さんが、

 

「君が来てくれて本当にうれしかった。次はいつ来るんだい?」

 

と言ってくれた。

むしろ感謝するのは僕の方なのに。

 

「また来年来ます。本当にありがとうございました。」

 

と言って彼らとお別れをした。

本当に親切で良い人達だった。IMG_4912

 

あても無く野宿でもしようと思っていたのに、

あそこでスマールさんに出会えて、

この村に来れて本当に良かった。

 

最後にスマールさんのお父さんが、

 

「帰りはBOSSに一声かけていきなさい。君が問題なく安全に滞在できているか心配して今朝電話をくれたからね。」

 

と教えてくれた。

 

BOSSも良い人だったみたい。

 

 

けど帰り際BOSSにも挨拶しようとしたら、BOSSは外出していて無理だった。

BOSSがいる建物。IMG_4918

駅までまたクマールさんがバイクで送ってくれた。IMG_4916

 

 

そしてついにクマールさんともお別れ。

 

また列車の上に乗り込む。

 

 IMG_4920

バイクで送ってくれたスマールさんは、

列車が発車した後も、

道が続く限り列車を追いかけ

僕に手を振っていた。

 

 

僕もずっと手を振った。IMG_4929

 

 

良い村に出会えたな。

 IMG_4943

電気の無い暗い村は、夜にはホタルと星空が綺麗に見え、

暖かい人がたくさんいる明るい村だった。

 

村に電気が通って、ネットが使えるようになって、医療が充実して、

色々便利になって欲しいと思う。

 

でもその反面、

この村の静かさや、夜の暗さが無くなるのもさみしいなと思った。

 

僕のエゴでしかないけど、

次来た時も暗闇の中でホタルや満点の星空を見たいと思った。

 

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